生産者訪問@山内園芸さん
3月のある日。
華もみじ福岡本店から車で走ること30分。昭和の面影を残す家並みを抜けて、到着したのは福岡県小郡市にある「山内園芸(バタフライガーデン)」さん。
普段よりさまざまな花の仕入れでお世話になっている山内園芸さんですが、今回はハウスを見せてくださるとのことで、ご厚意に甘えてお邪魔させていただきました。
山内園芸さんがこの地で花苗の生産をはじめたのはおよそ40年前。今回案内してくださった山内昇一さんは、先代であるお父様から後を継いで10年ほど。
「だいたい何でも育てているよ。」
そう仰ることが、ハウス前に並ぶたくさんの発送待ち段ボールや九州日観卸売市場へ出発するトラックの様子から伝わってきました。
箱の中にひっそりと身を潜めるかわいらしい花苗たちは全国各地へ。
数えきれないほどたくさんの花苗が、トラックの荷台に所狭しと積まれていきます。
ハウスの中に一歩足を踏み入れると、ふわぁ〜っと甘い春の香りが立ち込めていました。
犯人はこの子、チロリッサム(アリッサム&ひょっこりチロリアンデージー)です。1ポットの中に素敵な花束が完成しているではありませんか✨
園芸に詳しくない初心者の方でも簡単に楽しめるように…との想いで作られていると言います。
思わずスタッフで千手観音ポーズ。気分が高まるのは無理もありません。
隣のハウスでは、農園スタッフの皆さんが黙々と花苗の出荷の準備をされていました。
「今が一番かき入れどきだね。」
そう言いながら、慣れた手つきで嫁入り前の花苗に最後の身支度を。
訪れた日はいつも以上にあたたかく、ハウスの中にも強めの日差しが差し込んでじんわりと汗をかくような気温になっていました。
これから夏に向けて、植物以上に農園スタッフさんの体調管理が重要ですね。
華やかな色の花が開き出したバーベナや
つぼみをたくさんつけたダイアンサス
母の日のブリコラージュフラワーが楽しみです♪
くんくん。とてもいい香り。
オステオスペルマムにもこんなにたくさんの種類があるんですね〜
花苗はどこから来ているのか、誰がどう育てているのか。
背景を知ることはとても大切なことだと改めて感じましたし、育てた生産者さんの顔を思い浮かべながらブリコラージュをすることはとても豊かなことであり、
きっと作品の仕上がりにも変化が出てくるのだろうと思います。
山内さんは実際にブリコラージュフラワーをされたことがないそうで。ぜひ一度体験していただいて、ひとつの花苗がこれほどの幸福を生み出してくれているんだよ!という事実を知っていただきたい…
なんて思うのはおこがましいけれど。
それぞれの土地で力を尽くしている人たちがいることを、忘れてはいけないなと感じました。
「かわいい〜」「綺麗〜」
そんな言葉しか出てこなかった、私のポンコツな口を虚しく感じつつも、すっかり甘い香りに燻された身はとても軽やかで。爽やかな風を感じながら農園を後にするのでした。
今回農園を案内くださった山内さん、農園スタッフの皆さん、ありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
(編集部 よっしー)