【コラム】二十四節気と花のある暮らし「立秋」
始まりは、終わりから。
このコラムを書くようになってから、私たちが思っている感覚とは違って季節が意外に早く進んでいくことを知りました。今回のタネニハ便りは立秋ですが、8月上旬、夏真っ盛りという印象です。とはいえ、お盆を過ぎるとなんとなく空や空気に秋の気配を感じてくるもの。そう考える今は夏の終わりなんだと知ることができました。
二十四節気の四季の図解を見ても、8月~10月までが秋、11月~1月が冬、2月~4月が春、5月~7月が夏と書いてあり、やはり自分の季節の認識とは1ヶ月ほどずれているのがわかります。
これは、単純に季節を先取りしているのかしらと思っていたのですが、日々の自分に当てはめてみるとそうでないことに気が付きました。例えば秋を感じる時って暑かった気温が下がり始めて涼しくなった時や日が短くなってきた時。そして青々と茂っていた木々の葉が紅葉し始める時ではないでしょうか。
これは、目で見て、肌で感じ認識した時に初めて「秋になった」と感じていることになります。木々の見えない内部では、すでに変化は進んでいるのだけれども、人間はわかりやすく認識した時にやっと初めて「秋だ」と思えるんですね。
変化する前からすでに変化は始まっているんです。
これに気が付けたのは自分の体調からでした。私は毎年誕生日である6月頃に体調を崩しやすく、この時期をデトックス時期と呼んでいます。生まれた月にも関わらず身体も重だるく、スキッとしない日々が7月末頃まで続きます。
一年分の疲れや身体に溜まった悪いものを排出している期間だと考え、なるべくローペースで日々を過ごすように気を付けているのです。デトックス期間を抜けた身体は生まれ変わったように軽く、まるで新しい自分に生まれ変わった様。ここからまたいつものように忙しく駆け回るのです。
そう考えると私の身体はデトックスが完了する前、つまり重だるい日々からが新しい自分に変わり始めていたということになりますね。身体が軽くなった!と感じられたから「変わったんだ」と認識できたわけだけど、見えない身体の中ではすでにスタートしていたんですね。
木々も芽吹きと共に始まるのではなく、紅葉した葉がひらひらと落葉する時からが始まりなんですね。そこにあったものが無くなる時には「終わる」を連想しますが、終わりからすでに始まっているのだと知りました。
もし、新しい自分に変わりたいなと考えている人がいたら、そう考えている今から新しい自分はスタートしているということになります。だから思い切って新しい事にチャレンジして進んで欲しいなと思います。
私たちは終わりから始まり、それをぐるぐると繰り返しながら過ごしていくのです。
小森妙華