ハナモミジ

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【レポート】育種家 川越ROKAさんを訪ねて[前編]

こんにちは。華もみじスタッフのよっしーです。

先月の終わり、秋田緑花農園の秋田さんが宮崎県の育種家 川越 路可さん(以下、ROKAさん)に会いに行くとのことで、私もカメラを持って同行させていただきました。

ROKAさんと秋田さんは以前からのお付き合いで、今回は品種の特性や原種のことなどいろいろとお話をしたいとの目的で、ハウスにはおよそ5年ぶりの訪問となりました。

宮崎県宮崎市。
一般的な感覚でいくとあまりに時期が早すぎて違和感を覚える田植えの光景を横目に、ROKAさんのハウスへとやって来ました。

外から見ると何となしのハウス、けれどその中は想像をはるかに超える世界が広がっていました。

「いつもだったら乾燥する時期なんだけど今年は長雨で。この湿度の高さは不適ですね。」

そう言いながら迎えてくれたROKAさんは全国でも名の知れた、パンジー&ビオラの育種家(ブリーダー)さん。近年パンジー&ビオラは新品種が続々と登場しており、その個人育種ブームの火付け役でもあります。

 


 

ハウスの中は別世界!

皆さんは “育種” についてどれほどの知識がお有りでしょうか。
私自身これまで育種についてとりわけ学んでこなかっただけに、おおよそ育種とは “品種と品種をかけ合わせてより良い品種を生み出すこと” 程度に考えていたけれど、ROKAさんの言葉をお借りすれば、まさに “自分探しみたいなもの” 。

その言葉の意味を探るべく、わからないなりにあれこれとお話を伺いました。

ハウスの中にはROKAさんのパンジー&ビオラ苗のほか、全国各地の育種家さんたちから届いた数えきれないほどの苗。

「ちょっとお預かりしていじってお返しするのもあるし、展示会でお預かりしてってのもあるし。」

苗というのは自家受粉や近親交配が繰り返し行われると、それにより形質不良が起きたり品質が劣化する。他品種との交配はそういったことを避ける意味もありますが、ROKAさんの元にはパンジー&ビオラ苗の更なる進化を求めてたくさんの苗が集まってきているのだとか。

中にはROKAさんきっかけで育種をはじめられた生産者や主婦の方、ROKAさんと共同で育種を進めている方もいるようです。

どれひとつとして同じデザインがないビオラ&パンジー畑。

苗にはひとつひとつ、交配した日付などを記載した手書きのラベルが付けられていました。

とはいってもROKAさんの頭の中にはしっかりとデータベースが入っているようで、ポンポンとよどみなく次から次へと出てくる細かな解説に、まるでおまじないを聞いているかの気分になりました。

 


 

ROKAさんの休日

普段は近くのフラワーブティック アナーセンさんで週3日ほど働いているROKAさん。それ以外を育種の時間に充てていると言います。

「毎日は水やりできないので、休みの日に朝から来てずっと夕方までここにいて。誰とも口聞かずやってるって感じです。」

ROKAさんは育種をあくまで趣味だと言いますが、聞くところによるとパンジー&ビオラを日本の伝統植物にしたいという大きな野望を抱いているらしく。まさに人生を賭けたライフワークと言えますね。

ROKAさんがパンジー&ビオラの育種をはじめたのは30年ほど前。どんな経緯があったのでしょう。

「もともと働いていた福祉施設での作業が延長になって。授産施設っていう施設だったので、生産がその施設の中で行われるわけですね。農耕班だったので、パンジー&ビオラの苗とかを作って市場に出すんですけど、結局技術がないので生産農家さんからすると値段が低いわけですよね。結局施設の売上が利用者の賃金に還元されるので、売上を上げろというのが大命題だったんです。」

「でも同じ苗、種って買うところが同じところしかないじゃないですか。だから何とか付加価値が付けられないかなってずっと思っていたら、たまたまクリーンホワイトの中にピコティ(※花弁や葉の周囲に入る細い色の帯)が出たので、綺麗だなと思って取っておいたら種ができたんです。じゃあ蒔いてみようかと蒔いてみたら、同じような感じでできたんですね。これだ!って。当時ピコティは全くなかったので。そこからがスタートなんです。

見たこともないしカタログで種も売っていないようなのものが出るし。それでだんだんハマり込んでいったの。」

「小さい頃から種蒔きが好きで、特に椿なんか好きで中学生くらいから色々よく調べていたから。それでコレとコレをかけたら小さいのができるし、コレとコレをかけたらすごく豪華なのができるっていう知識はあったから、これは新しい原種を入れたらまた違うことになるわって。

当時イギリスからカタログを取り寄せて、ネットがないから辞書や辞典を見て。わかるものもあるし、全く記載がないものもあって。ともかくいろんなビオラと名の付くものは導入して交配したっていう、ただそれだけなんです。」

 


 

 

とても興味深いお話をたくさんしてくださったROKAさん。

お話の続きはまた来週です。お楽しみに♪

(編集部 よっしー)

 

川越ROKAさん Information

instagram @crinumjaponicum
ROKA BLOG https://ameblo.jp/pansy-tane/

 

【レポート】育種家 川越ROKAさんを訪ねて[後編]

2023.04.10

よっしー yoshi


ハナモミジ / 編集・オンラインショップ【好きな食べ物】いちご、モンブラン、韓国料理【趣味】BTS
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