ハナモミジ

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【コラム】二十四節気と花のある暮らし「小満」

農園の植物たちは勢いを増し全てを解放して堂々と枝葉を伸ばしています。小麦畑も清々しくシャキッと立った穂が風に揺らいでいます。この畑は東京都で一番広い麦畑だそう。東京都を東西に大きく横切る新青梅街道と、私が暮らす東久留米の街に繋がる一本道が交わる地点にこの麦畑はあります。

私の生まれ故郷の福岡県は麦畑ではなくお米を栽培する田んぼの風景の方が多いので、田植えの季節に麦の穂が風に揺らぐ姿はとても新鮮。都心から青梅街道を通り、この麦畑まで帰ってくると突然空気が変わったのか心がほっと落ち着きます。


東京に住み出して1年になりますが、緑や自然がまだまだ残っている東久留米市に住むことになり本当によかったと思います。私は目に映る景色に緑が7割くらい入っていないと、だんだん疲れてきてしまいます。都心に出向くと自然を肌で感じることが減り、代わりに入ってくる情報量があまりにも多く、人との距離が近いため人の気怠さや蠢く(うごめく)感情が自分の中に入ってきてしまうような感覚になります。どっと疲れて身体が怠くなり足が重くなる。それはとても辛いので意識を遮断するようにしています。

意識を遮断し、感情を無にするとなんとか過ごすことができます。ただ、感情を無にするということは感じるものを遮断してしまっているので、美しさや心地よさも感じにくくなります。都心を通り過ぎ、飛行機に乗って福岡へたどり着くと遮断していた感情がふわっと解放され、木々が揺らぐ姿や青い空、人々の軽快な足取りまでも美しく感じます。

美しいものや気持ちよさを感じられるとき、人は心を解放し自然体でいられるのでしょう。それはとても心地よくて、自分がそこに生きていることすら誇らしく感じるものです。自然+人の体=自然体 人が人として自然体でいるには木や草や花が欠かせないものなのだと思いました。

小森妙華

2023.05.25

小森 妙華 komori myoka


アトリエ華もみじ代表【好きな食べ物】 餃子とビール【趣味】料理・写真・畑
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