【レポート】「第16回 個人育種パンジー・ビオラ作品展」へ行ってきました!
2月3日(土)~2月11日(日) にアナーセンさんで開催されている「第16回 個人育種パンジー・ビオラ作品展」。この機会をずっと楽しみにしていましたが、開催2日目にようこさんと共にお伺いすることができました。
この作品展は、パンジー・ビオラの魅力を知ってもらいたいと始められたイベントで、毎年この時期に全国各地の育種家さんのパンジー・ビオラが大集合!16回目の開催となる今年は、全国から40名を超える個人育種家さんたちのパンジー・ビオラがアナーセンに集まりました。
アナーセンに訪れたのは昨年の春ぶり。オーナーのなっちゃんに川口さん、川越ROKAさんがお出迎えしてくれました。
「16年間開催してこんな天気は初めて。天気が良ければ花色とか綺麗な状態を見てもらえるんですけど…」
訪れたその日はあいにくのお天気でしたが、幸いにも会場に到着する頃には雨がピタッと止んでくれました。
出展者すべてのパンジー・ビオラをご紹介することは難しいですが、中でも皆さんが華もみじで見かけたことがあるであろう育種家さんを中心にご紹介させていただこうと思います。
ちなみに、それぞれの作品には川越ROKAさんが用意してくださった“紹介文”が掲げられており、作品をより深く理解し楽しく会場を回ることができます。そんな川越ROKAさんのお知恵を借りながら、一部を皆さんにご紹介していきますね!
落合けいこさん(やまね工房)静岡県
ゲートをくぐるとまず目に飛び込んできたのは落合さんの作品たち。
落合さんといえば、世界で初めて種子系の八重咲パンジー・ビオラを育成されたすごいお方!色鮮やかでエレガントかつラブリーな姿はずっと観ていられるほどの美しさ。
佐藤勲さん(サトウ園芸)群馬県
独特の世界観を放つ佐藤さんのパンジー・ビオラ。育種家の江原伸さんが1980年代に流通していた市販品種を交配することで生み出した“ビオラワールド”から、そのコンセプトを引き継いで“ヌーベルバーグ”を育成されたのだとか。
深みのある色目とフリンジの美しさがピカイチですね!
石川智樹さん(石川園芸)宮崎市
みんなが大好き!ビオラ“レディ”や“モンキージョージ”を育成されている石川さんの作品。この品種ができるまでに10年ほどの年月がかかっていて、それでもなお進化をさせているそうです。
展示されている中に、2色植えの極小小輪系ぷちぷちの姿もありました!
見元一夫さん(みもとの花屋)高知県
カメラを向けた瞬間、レンズから覗く世界がパァーッと明るく照らされた見元さんのパンジー・ビオラ。
細弁の「ラビット型」を完成させ、ラブリーな品種がたくさん。ラベルも品種をイメージしたイラスト付きでとっても可愛らしい!
植田光宣さん・寛美さん(花苗うえた)高知県
ひとつ前にご紹介した見元さんと同じ高知県、実はご親戚という間柄の植田さんが作るパンジー・ビオラ。明るくて柔らかな色目は女性に大人気なんだとか。それぞれの品種についた名前もとってもキュートです。
今期華もみじに初めて入荷してきた“パピヨンワールド”は、色幅がとても広くて、こちらの青染みカラーも素敵でした。
コウロギノブコさん(興梠花卉園)五ヶ瀬町
世界で初めて「反転咲き」を完成されたコウロギさん。「造形のコウロギ」と呼ばれるだけあって、とても斬新な花弁が印象的です。新しい切り口でたくさんの方にインスパイアを与えている存在なんだとか。
北島和幸・静香さん(北島園芸)奈良県
こちらはニチニチソウの育種で有名な北島さんのパンジー・ビオラ。ようこさんが釘付けになったオレンジカラーの“ドレープシエナ”は、深みのある色合いといい、ひだひだなドレッシーな感じといい、唯一無二の美しさです。
田中俊行さん(フラワーハーツ八ヶ岳)山梨県
ひときわ目をひくこちらの作品は、ROKA HEARTS(ロカハーツ)でお馴染み田中さんの絞り模様のビオラ。
他にも原種を使った交配系統など、個性的なビオラを育種されているようです。美しいですね…✨
秋田茂良さん(秋田緑花農園)東京都
こちらには我らが副社長でもある秋田さんの作品が。“多摩の舞”に“アルルの庭”と、馴染みのあるお顔立ち。やっぱりかわいいなぁと、孫をひいき目に見てしまう感覚になりますが。育種家としての秋田さん、やはりかっこいいです!✨
山内昇一さん(バタフライガーデン)福岡県
以前ハウスにもお邪魔させていただいた山内さんの作品。ブランド名は“リアン”、フランス語で「絆」の意味を持つこちらのビオラは、市販品種×個人育種の交配(絆を繋げる)からスタートしたことからその名が付けられたそう。
川上竜一さん(花日和)埼玉県
“シェルブリエ”や“華あられ”などで馴染みのある川上さんのパンジー・ビオラ。華もみじで手にした方もいるのでは。
こちらは新作の“ペルクレア”。淡い色合いのフリルに癒されますね。
吉村龍典さん(吉村農園)宮崎市
首を長〜くしてこちらを見ていたのは、吉村さんの育種ビオラ。“ブローインフィールド”や“君待ち”など、これまでになかった花茎の長いタイプを育成し、植栽や切り花にも向くと近年大注目の品種です。風に吹かれてゆらゆら揺れる姿、想像しただけでも美しいですね。
今回、吉村さんの農園へもお邪魔しましたので、後日またブログでご紹介させていただきますね。
大牟田尚徳さん(アイディアルフラワー)小林市
昨年ハウスにもお邪魔した、大牟田さんのパンジー・ビオラ。その色合いは「エボルベカラー」と呼ばれていて、「色彩の大牟田」の異名も持つそうです。
松永一先生 小林市
“バラ咲きジュリアン”や“ケイトウ霧島の秋”などたくさんの植物を育成されてきた松永さん。その一つが極々小輪系のビオラ。現在はROKAさんが選抜維持しているものだけ、極めて貴重な系統を展示会で観ることができます。
川越ROKAさん 宮崎市
最後は、今回展示作品を詳しくご紹介してくださった川越ROKAさんの作品。焼け、原種交配、原種など昔の交配から現在の交配など。ROKAさんの探究心は留まるとことを知らないですね。
さて、一部ご紹介させていただきましたがいかがでしたか?本当にどれも美しくて魅了されてしまいますね。
「世界において日本のパンジー・ビオラの育種は特に進んでいて、その中でも一番情報を発信している地が宮崎なんです。」
と、ROKAさん。
会場には、パンジー・ビオラと一言では言い表せないくらいバリエーションに富んだ作品が勢揃いしていて、まだ市場に出回っていない品種もあり、とても見応えのある展示会でした。
パンジー・ビオラを愛する一般の方や業者さん、中には韓国から作品展に駆けつけた方もいらしていて、日本のパンジー・ビオラが世界に広がっているんだなぁと、間近で感じることができました。
知れば知るほど世界が広がって、もっと知りたいと思える奥深きパンジー・ビオラの世界。会期は今週末までですので、ぜひ足を運んでみてはいかがですか♪
(編集部 よっしー)