【コラム】小森妙華のあたまの中 vol.2
ゼロになってもいい覚悟
そう聞くと、なんだか極端で恐ろしい気もするが、最悪の事態を想定しているからこそ、いざ “その時” に立ち向かえる強さがあるのではと考えられる。
もっとあたまの中を覗いてみたい。と思った。
人を抱えるということ
ーー (よっしー)ゼロになってもまた這い上がればいい。その言葉、グッと来ました。
「そう考えると楽よね。それぐらいじゃないとやっぱりできないよ。人を抱えたりとか、何億とか借金するわけでしょ?無理よ。後ろとか見れんもん、怖いもん。」
「だから数字は見てるんだけどね。現状把握しておけばよくて。でもそこにいちいちびっくりもしないし、「ふむふむ、なるほど。こういう問題が起きてるんだ〜」なだけ。感情がない。問題はここ(自分の中)に入れない。自分じゃないし。」
ーー (うがじん)数値を常に見ていないと問題がボン!て起きるから。
「ここが今問題だっていう問題がわかるだけでも違うじゃん。経営やっていても自分の人生もわからないのが一番怖いから、悲観したりとかしないで自分の弱点とかそこはそれで持っておいて。
例えば自分にクレームが来ていても、「なるほど。私のこういう発言がクレームに繋がるんだ。」って。自分が至らないからだとか、自分のどこが悪いからだと思ったらキツイから「そういう問題もあるんだ。ではどうしたらそうならないだろう。」と。それはすごい大事で。」
「だから自分の力量にかかってる!とか思ってない。無理やもん。凡人やもん、みんな。だから特に自分に抱えないでみんなで持ってる知恵と技術を分け合って、みんなでなんとかしようとしてるんだけど。そっちの方が安心やん。一人にかかってるより。」
ーー (うがじん)集まった数だけ知恵もあるし。みんな経験が違うからなんとかはなりそうよね。
「そうすると全員違っていいんだよね。違った方がいい。得意分野があるけん。」
ーー (よっしー)自分に抱えない、なかなか難しいですよね。自分ごととして全部捉えちゃうから…
「難しいよね。自分から一回出して並べるんだよね。自分のいいところ、悪いところ。悪いところを何で補うかとか。
私は悪いところを補うために勉強しているし、私だって突発的で衝動的だったり「もういい!」ってすぐこう… 瞬発力があってある意味いいんだけど、でもそれが決断が早すぎることがあって損することも多いから。だからちょっと知識をつけて判断基準を増やすとか。そういうことをしてるんだよね。」
ーー (よっしー)客観的ですね。経営者じゃなくてもその考え方は必要ですね。
「必要かも。自分経営だから。そもそもがすごく感受性が高くて落ち込みやすくてもろいから身につけた。人の感情に引っ張られるし、継続もできないし、弱いから頑張って身につけたって感じかな。生きるために。」
ーー (よっしー)最初それに向き合うのって辛いですよね。
「辛い。できないところしか見えないしダメなところしか見えないし、すごく大変だった。」
ーー (うがじん)でも先生はダメなところも見つつ、勉強したら「あ、できた!」の積み重ねじゃないですか。途切れさせないのがすごいなと思って。
「そうそう。でもそれは楽しくなってるからよ。別に「やらなきゃ!」って思ってないもん。「本読まなきゃ!」じゃなくて「やばい、わかんない!あぁこれだ!」とか。
例えばスタッフが落ち込んでたとして、それを「どうしよう〜」じゃなくて。
とりあえずやったことは、本を読み漁って「あ、これが◯◯さんにいいや!」って。」
「自分の勉強だけじゃなくスタッフ目線でも本を読んで、みんなこういうところにぶつかるんだなっていうのをわかった上でできるアドバイスがきっとあるしと。
どうしても経営者になるとみんなと視点が違うでしょ。雇用されて時間縛られてやっているみんなと立場が違うから、自分のことだけ言っても通じないし、響かないから。その人たちの目線になるっていうことはすごく日々やっているんだよね。」
凡人やもん、みんな。だから自分に抱えないで、みんなで持ってる知恵と技術を分け合って、みんなでなんとかしようとしてる。そっちの方が安心やん。一人にかかってるより。
自分のいいところと悪いところを洗い出して。
強いところと弱いところ、ありのままを認めて。
自分と向き合うことは、簡単そうでなかなか簡単なことではないけれど、それによって自分を会社の仲間と同じひとつのパーツとして客観視してみんなで乗り越えようとしている点に、強く共感した。
(つうしん部 よっしー)